今日からできる!寝る前の食事で睡眠の質を改善する3つのポイント
「寝る前の食事をやめましょう」
睡眠に関する本や睡眠改善のヒントとして、よく聞くと思います。
寝る前の食事が良くないとされる主な理由は、
・肥満や生活習慣病のリスクが上がる
・胃もたれの原因になる
・寝付きが悪くなる・睡眠の質が下がる
などが挙げられます。特に肥満がいちばんの理由だと考える人が多いでしょう。
実際、睡眠不足だと食欲が増えます。原因は「オレキシン」と呼ばれる覚醒ホルモンにあります。
オレキシンは起きている間に活動し、睡眠中は活動が低下するため、睡眠中に食欲が出ることはありません。
しかし、ここで関わってくるのが、食欲抑制ホルモン「レプチン」と食欲増進ホルモン「グレリン」です。
オレキシンによって高まった覚醒状態の中では、レプチンが食欲を抑制し、グレリンが食欲を促進します。
睡眠不足の状態ではレプチンが減少し、グレリンが増加するため、食欲が増えて太りやすくなります。
慢性的な睡眠不足の状態では、食欲が増加し、空腹を感じやすく、摂食行動が抑えにくくなります。
最近では、たった1日の睡眠不足でも、レプチンが低下し、グレリンが上昇することがわかってきました。
慢性的な睡眠不足が続くと、より頑固な肥満体質になっていきます。
満腹や脂っこい食べ物は消化に時間がかかるため、十分に体を休めることができず、浅い眠りを誘発し、不快な目覚めの原因になります。
また、十分に消化できない状態で眠ってしまうと、睡眠中に胃酸が逆流し、睡眠の悪化や逆流性食道炎に関わってきます。
睡眠前の理想の食事は、
「就寝4時間前までに済ませ、腹6〜7分目の量をよく噛んで食べる」ことです。
食後すぐは、胃腸の動きが活発に働いて深部体温が上がるため、睡眠が浅くなります。
胃腸の動きが落ち着くまでには3時間ほどかかるため、4時間前には食事を終わらせましょう。
睡眠改善のための食事のタイミング
朝食
炭水化物とタンパク質をしっかり摂りましょう。毎日ほぼ同じ時間に食事をすることで、体内時計をリセットできます。
昼食
タンパク質と食物繊維を意識した食事が理想です。1日の活動エネルギーを補う目的で食べましょう。
夕食
腸内環境を整える発酵食品や野菜を摂りましょう。夕食は就寝3時間前までに済ませ、脂っこい食事を避け、満腹にならないよう腹6〜7分目の量を心がけましょう。
今日からできるアクション
寝る前の食事は、睡眠の質を下げるだけでなく、食欲を調整するホルモンバランスを乱し、肥満や生活習慣病のリスクを高める可能性があります。
睡眠の質を高めるために、今日から次の3つを意識してみましょう。
① 夕食は就寝4時間前までに済ませる
食後すぐは胃腸が活発に働き、深部体温が上がるため眠りが浅くなります。少し早めの夕食を心がけましょう。
② 腹6〜7分目で食べ終える
満腹や脂っこい食事は消化に時間がかかり、睡眠の質を下げます。量を控えるだけでも睡眠は改善しやすくなります。
③ よく噛んで、落ち着いて食べる
よく噛むことで消化の負担が減り、寝る前の胃腸の働きを穏やかに保つことができます。
食事の内容やタイミングを少し整えるだけでも、睡眠は変わります。
まずは「今日の夕食」から、できることをひとつ試してみましょう。
ぐっすり眠るためには食事だけでなく寝具も大切です。店頭では、あなたにぴったりのお布団や寝具選びのお手伝いをします。
皆様のご来店。心よりお待ちしております。
参考書籍
加藤浩晃著『休養ベスト100 科学的根拠に基づく戦略的に休むスキル』株式会社日経BP 2025
西多昌規著『眠っている間に体の中で何が起こっているのか』株式会社草思社 2024
記事を書いた人
水谷祐介:睡眠健康指導士(初級)/睡眠栄養アドバイザー/オーガニックコットン販売士ほか
福祉系大学卒業後。パチンコ店員・コンビニ店長・ナイトサウナ店長を経て、家業の布団屋に。
2年間で約100冊の睡眠・寝具関連の本を読み現在も継続中。積読にならないよう気をつけています。



























