羽毛ふとんの選び方
「羽毛ふとん」と「羽根ふとん」の違い
ダウン率50%以上を「羽毛ふとん」ダウン率50%未満を「羽根ふとん」と呼んで区別しています。
実は30年ほど前までは、ダウン50%フェザー50%の「羽根ふとん」が一般的な商品で、ダウン70%で約30万。ダウン90%は目が飛び出るほどの高級品だったそうです。そのため今でも一般的な羽毛ふとんのことを「羽根ふとん」と呼ぶ人がいます。
現在では、ダウンとフェザーを分ける技術が向上し、ダウン90%以上が一般的になっています。
ダックとグースのどちらが暖かいか
ダックはアヒル。グースはガチョウの事をさします。
グースの方が、体が大きくダウンボールも大きいため軽くて暖かい羽毛ふとんになります。ちなみに「マザーダウン」と書かれているのは、成長した親鳥の羽毛なので、ダウンボールも大きく暖かい羽毛になります。
羽毛の産地になっている国は、北欧の国やダックやグースを食べる習慣がある国が多いです。そのため羽毛はダックとグースの主に食肉生産の副産物として取れますが、近年ではダックやグースを食べる人が少なくなったり、鳥インフルが原因で生産量が減っています。また産地の多くは寒暖差の激しい地域のものが良質と言われていますが、同じ産地でも品質差が大きいので、産地から判断するのは難しいです。
側生地は綿100%
側生地は綿100%を選ぶと良いです。やわらかい綿素材が身体にフィットして布団と体のスキマを埋めるため保温力が上がります。また綿素材は羽毛の片寄りが少ないため暖かいです。
糸の太さを「番手」といい、数字が多きいほど、糸が細くなります。一般的には60番手から80番手が羽毛の側生地に使われています。
またカバーを使わずに寝ている方も居ますが、カバーを掛けないと首元や足下が汚れ、側生地が傷む原因になります。痛んだ箇所から羽毛が吹き出たり、中の羽毛が汚れて保温力が落ちてしまいます。カバーはしっかり掛けましょう。
長年使っている羽毛は、ボリュームが減ったり、中の羽毛が片寄ったり、羽毛の吹き出しが生じたりします。また生地に穴が空いたり、羽毛が噴き出したりしたら、「リフォーム」がオススメです。
「リフォーム」は、羽毛を取り出してキレイにして、新しい側生地に入れ直します。ただし、中には「リフォーム」ができないほど羽毛が痛んでいることがあります。
「リフォーム」の目安は、羽毛ふとんを四つにたたんで高さが25cm以上あれば「リフォーム」可能です。もしご自身で判断できない場合は、お店に持って行ったり、連絡して店員さんを来てもらうなどのしてください。
また羽毛は大切な資源なので、「リサイクル」もあります。羽毛ふとんを捨てる前に、「リフォーム」や「リサイクル」をすることで、環境負荷を減らすことができます。
オススメの羽毛ふとんとして、「ゴアテックス羽毛ふとん」があります。
ゴアテックスとは、ラミネート布の一種で、極微細な気孔が空いていて、外からの水分を通さないが、かいた汗(水蒸気)を外に出してくれます。この極微細な気孔は、羽毛が汚れる原因であるダニやその死骸、フンなどを防ぎ羽毛をキレイに保ってくれます。
また、普通の羽毛ふとんより多くの空気を含むことで、軽くて暖かいのが特徴です。
羽毛リフォームの生地にも「ゴアテックス」があります。ぜひお試し下さい。
参考書籍
文化出版局編『キレイをつくる睡眠の基本と習慣356』文化出版局 2009
羽毛文化史研究会編『羽毛と寝具のはなし―その歴史と文化―』株式会社日本経済評論社 1993
成田典子著『テキスタイル用語辞典』株式会社テキスタイル・ツリー 2022
記事を書いた人
水谷祐介:睡眠健康指導士(初級)/睡眠栄養アドバイザー/オーガニックコットン販売士ほか
福祉系大学卒業後。パチンコ店員・コンビニ店長・ナイトサウナ店長を経て、家業の布団屋に。
2年間で約100冊の睡眠・寝具関連の本を読む。



























