いびき
いびきとは・・・
眠っている時に、鼻やのどなどの気道が狭くなったところを、空気が無理やり通り抜けようとする際に音が発生する物理的な現象。
いびきは睡眠の質を下げる原因のひとつです。また大きないびきは「睡眠時無呼吸症候群」の可能性がある。軽症患者や自覚症状のない予備群も含めると、日本人の5人に1人が患っているといわれています。
「睡眠時無呼吸症候群」を放置しておくと、日中に強い眠気に襲われ、注意力が散漫になるほか、高血圧症や、動脈硬化の進行にともなう狭心症や心筋梗塞などの循環器系疾患、糖尿病やうつ病さらに、同じ部屋に寝ているパートナーにもストレスを与えます。
いびきの原因
仰向けに寝た際に舌根が下がり、空気の通り道が細くなっていびきをかきます。
一昔前までは、いびきは「太ったおじさん」がするイメージでしたが、近年では様々な原因があることが分かってきました。
肥満や飲酒の習慣がある人。顎の骨格が小さい。下あごが後ろに下がっている。鼻がつまっている。加齢などがいびきの原因となっています。
いびきの改善方法
ダイエットや禁酒、マウスピースやCPAP(シーパップ)などの改善方法や治療がありますが、今回は2つ紹介します。
鼻呼吸
本来、呼吸は鼻でするモノです。睡眠中、体内に酸素を取り込むために呼吸は重要ですが、「呼吸するなら鼻でなくとも口でじゅうぶん」と考える方もいますが、鼻呼吸には次の4つの機能があります。
鼻呼吸の4つの機能
①有害物質をシャットアウトする
②肺の中の環境を一定に保つ
③肺に出入りする空気の量を増やす
④肺の中を流れる血液の量を増やし、血液への酸素の取り込みを促進する
『鼻専門医が教える「熟睡」を手にする最高の方法』より
このように鼻には、呼吸をするための機能が備わっています。鼻呼吸がうまくできない場合は、薬局などで購入できる医療用テープで口を閉じさせたり(無理に閉じたりしない)、点鼻薬で鼻の通りをよくして、鼻呼吸を意識してみてください。
鼻がつまって鼻呼吸ができないと感じたときは、耳鼻科を受診してください。
横向き寝
仰向けに寝た際に舌根が下がり、空気の通り道が細くなっていびきをかくと書きましたが、仰向き寝は身体がリラックスして、負担が少ない寝姿勢ですが、無呼吸のある人にとっては悪化しやすい姿勢です。横向き寝は気道が狭くなりにくいので、いびきに悩む人や睡眠時無呼吸の人にオススメです。
横向き寝のメリットは、気道が確保され呼吸がしやすく、汗などが蒸発しやすい。
デメリットは、姿勢を保つのが難しいため、筋肉や関節に負担がかかり、腰痛や肩こりの原因になったり、肩や腕が圧迫し痛みやしびれを引き起こすことがあります。
横向き寝を楽にするためには、抱き枕を使うと圧力を分散し、身体にかかる負担を減らします。
参考書籍
黄川田徹著『鼻専門医が教える「熟睡」を手にする最高の方法』日経BP日本経済新聞出版本部 2021
白濱龍太郎著『睡眠専門医が考案したいびきを自分で治す方法』株式会社アスコム 2023
末松義弘著『いびき・睡眠時無呼吸を自分で治す横向き快眠法』現代書林 2024
柳沢正史監修『快眠法の前に今さら聞けない睡眠の超基本』朝日新聞出版 2024
記事を書いた人
水谷祐介:睡眠健康指導士(初級)/睡眠栄養アドバイザー/オーガニックコットン販売士ほか
福祉系大学卒業後。パチンコ店員・コンビニ店長・ナイトサウナ店長を経て、家業の布団屋に。
2年間で約100冊の睡眠・寝具関連の本を読み現在も継続中。積読にならないよう気をつけています。



























